【日本語】「爆笑」は大勢で笑うもの?一人でもOK?【誤用】
こんにちは!(・∀・)ノ
先日、「爆笑」は大勢が一斉に笑うものであり、「一人の人間が大笑いする」意味で使うのは誤用である、という書き込みを目にし、普通に後者の意味でも使っていた自分は小説新人賞を目指し執筆に励んでいる身として「マジで⁉」と衝撃を受け、慌ててggってしまいました。
で、結論から言うと「別に一人で爆笑しても良い」とのことでした。
それでは。
・・・だけでは寂しいので、もうちょっと詳細をお知らせします。
広辞苑・大辞林
実際に広辞苑第七版や大辞林4.0を見てみましょう
・広辞苑第七版
・大辞林4.0
どちらも「大勢で」と限定して解説していませんね。
ちなみに上のスクショはATOKで月額課金して利用できる辞書サービスです。
ありがとうATOK。これだけでもお前と契約した甲斐があるってもんだぜ。
なぜなら紙の広辞苑第七版は税込9,900円もするからさ・・・(`;ω;´)ブワッ
岩波・新明解・明鏡・三省堂
それはそれとして、手持ちの国語辞典を見るとまさかの2012年発行。上述の「爆笑」も「大勢でどっと笑う」という解説が掲載されておりました。
10年経ったら色々言葉の意味も変わるよなあ、とこれは物書きとして言葉のアップデートをせねば!と本屋で主要な国語辞典四冊を視察しに行って来ました。
以下のサイト様を見て四冊に的を絞りました。
専大日語・コラム | 専修大学文学部日本語学科
このページの下段にある各国語辞典の性格付け、実際に見に行ってみましたが私も合っていると感じました。
岩波・新明解→伝統を重んじる
明鏡・三省堂→時代に合わせて、柔軟に
・・・こんなイメージです。
では、タイトルになっている「爆笑」について各辞典ではどうなっているのかというと
岩波・新明解→「大勢で笑う」
明鏡→「一人で大声を上げて笑うという意味で使うのは新しい言い方」
三省堂→「昭和以前から一人で大声を上げて笑うという意味で使われていた」
と、下二冊は現代での使われ方を解説しておりました。
ここで私が買うべき国語辞典は明鏡か三省堂で、四冊の中で唯一「爆笑」を歴史的観点から解説していた点で三省堂が好感触だったのですが、
・三省堂と同額(税込3,300円)な上、厚みがある
・よくある誤用をまとめて掲載
・「品格」欄という、平易な言葉を品格ある言葉に言い換えたい時に有用
・「注意」欄によくある誤用についての解説有り
おわりに
「『爆笑』は『大勢で一斉に笑う』という意味だ! 『一人で爆笑する』は誤用だ!」と仰っている方、もしかしてお使いの辞典が古かったりしないでしょうか。
私個人としては、「言葉とは生き物」であると考えています。
漢文から古文、現代文へ。漢字、ひらがな、カタカナの混合。果ては外来語まで。この柔軟な移ろい、そして寛容さが日本語をより豊かにしているものだと信じております。
もちろん、昔ながらの伝統を無視することを正当化するものではありません。
伝統を重んじつつ、新しい概念をも取り入れる柔軟さを持っていたいものです。
言葉は生き物であるし、辞典を編集されるのは私たちと同じ人間です。
辞典は絶対ではなく、広辞苑や大辞林のように新しい版が出ると変わってしまう、確かなようで意外と不確かな面も持ち合わせています。
日本語のアップデートを辞典だけに任せず、私たち人間も柔軟にアップデートしていくのが理想ですね。
ついでに反響の大きかったツイートを掲載させていただきます。
「爆笑は大勢で笑うこと」とテレビのクイズ番組で放送され、軽く脱力しています。爆笑は昔から1人でもしていたことは『三省堂国語辞典』にも記され、『広辞苑』『大辞林』も記述を修正しました。これに限らず、テレビで誤用でないものを誤用と言う場合は多いです。主なものを一覧にしておきます。 pic.twitter.com/Uy7zKXLCie
— 飯間浩明 (@IIMA_Hiroaki) September 19, 2019
今回購入した明鏡国語辞典
ついでに衝動買いした「創作ネーミング辞典」なるもの笑